阪神淡路大震災は現存する建物の構造的なもろさをさらけ出すことになったが、同時に、わが国がもっている高度な補修技術を証明する結果ともなった。被災した建物にたいしてさまざまな補修工事がおこなわれたが、なかでも建替えから補修へ方針転換した「芦屋アーバンライフ」がもっとも注目を集めた。芦屋アーバンライフの竣工は一九七二年であるから、七一年の建築基準法改正以前の設計基準によっており、今回の地震で典型的な被害を受けることになった。国道に面して一段低くなった店舗・事務所部分とピロティの柱は、ほとんどがコンクリート内の鉄筋を露出させたし、住居部分にもいたるところにひびわれが生じていた。建築基準法の制度上の不備をそのままあらわすことになったのである。震災当時、居住者ならずとも、誰もが解体して建替えざるをえないと思ったのはうなずける。そこで管理組合は、まず建物の解体同意をはかり、建替えを検討している。ただし、調べてみると、建物が建ったときの容積率と現行制度上の容積率が変わっており、従来と同じだけの面積を確保できないことが判明した。
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