阪神・淡路大震災はおそるべき欠陥工事の多さを白日のもとにさらけ出した。水道、電気、ガスといったライフラインさえ断たれている混乱のなかでは、欠陥工事の証拠をつかむことは難しく、訴訟にまで発展したケースは少ない。しかしある賃貸マンションでは、肉親を失った男性が、がれきとなった壁に「鉄筋が十分に入っていない」という欠陥に気づいた。男性は鎮魂の思いでつぶれた建物を調査し、数百枚の写真を撮影し、裁判を起こした。
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そして裁判所は建物の欠陥を認定し、賃貸マンションの所有者に損害賠償を命じた。木造住宅でも、被災者が地震直後に撮った写真が決め手となり、裁判所が「筋交いの不具合・壁の不足」という欠陥を認定したケースがある。被災地を歩いた建築の専門家たちは、木造であるかマンションであるかを問わず、住宅の工事には多くの手抜きがあったことを指摘している。