本来的には無価値の自然物にすぎない土地が、なぜ開発、住宅という2大問題の根をかたちづくるのか。だれが、土地に対する間の生存共有権を脅かしているのか。これが土地の本質解明というテーマと取り組むに至った動機であった。そうこうしているうちに、開発の波は全国に広がり、地価は奔騰につぐ奔騰を続けていく。開発難民がふえ、住宅地の地価も高根の花となって、土地に対してもつ人間の生存共有権が崩壊し、見失われていく。開発難民の発生源をたどっていくと、そこには明らかに新しい土地利者=資本の側に立ちすぎている提言の結実があり、政治、政策の存在がある。
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これに比べると住宅問題としての土地問題では、政策はあまりにも無策であり、提言もまた無力そのものである。無策、無力の結果が、地価の奔騰として現われているのである。だが、地価の奔騰は明らかに新しい土地支配者の利益につながっている。この意味からすれば、無策、無力にみえる土地政策、提言は、実は新しい土地支配者を利するこのうえない強力な政策であり、提言なのである。